カテゴリー「環境」の18件の記事

2009-10-15

Blog Action Day: Climate Change and Consumer Behaviour

先日書いたとおり、今日は Blog Action Day です。テーマはclimate change。

環境の勉強をしてきたのだから、少しはまともなことを書きたいところだが、あまり立派なことは書けそうにない。

Bad09先週、部屋の電球が切れたのだが、続けざまに今週はキッチンの電球が切れたflair

ということで、今日は何となく考えていること-消費者行動について。

京都議定書における日本の温室効果ガスの削減目標は基準年(1990年、ただし3ガスは1995年)比で、約束期間(2008-2012年)にマイナス6%を達成することである。しかし、よく知られているとおり、2007年度時点で基準年の排出量のプラス9%になっている。

総排出量の9割近くを占めるエネルギー起源CO2の内訳を見てみると、産業部門は基準年比で微減しているのに対し、運輸・業務・家庭部門が増加している。とりわけ、業務部門と家庭部門は基準年比で40%を超えるCO2が排出されている。

基準年からの人口増加はせいぜい3%程度なので、家庭での1人当たりのエネルギー消費がいかに増加しているかが分かる。主な原因は、世帯数の増加や電気電子機器の普及などが考えられるが、温暖化対策のために1人暮らしを制限したり、IT機器の保有台数や使用時間を制限するのは到底無理である。

そうなると、家庭部門のエネルギー消費を抑制するためには、使用機器の省エネ化を進めるのが現実的かつ有効な手段の1つとなる。電球が正にそれである。現在、家庭用照明に使われている白熱電球の電球型蛍光灯への移行が世界中で進んでいて、日本でも業界が自主的に事実上の生産中止に向けて進み始めている。

さて、電球が切れた私は、スーパーマーケットの電球売場を物色する。メーカーに関しては、フィリップス製(オランダですから)のものがほとんどで、一番下の棚に知らないメーカー製のものがある。それぞれ、白熱電球と電球型蛍光灯があり、フィリップス製は消費電力を30%程度抑えた白熱電球もある。

電球型蛍光灯の特徴は、寿命が長く(例えば約6倍)、消費電力が少ない(例えば約1/5)だが、値段が高い。EUではエネルギー消費をA(省エネ)からGまでカテゴリー分けしてラベリングすることとされていて、白熱電球は下から3番目のE、蛍光灯は最上ランクのAである。その代わり、蛍光灯はかなり値段が高い。この他に、蛍光灯よりも更に寿命が長く、消費電力が少ないLED電球も市販され始めているようだが、現時点ではスーパーでは売れない程の高級品である。

ということで、一般的な選択肢は以下のとおりとなる。色合いが異なる白熱電球なども販売されていたが、ここでは普通の電球を購入することを想定する。

1.フィリップス社 白熱電球 0.70ユーロ E
2.〃 省エネタイプ白熱電球 2ユーロ C
3.〃 電球型蛍光灯 6ユーロ A

4.某社 白熱電球 0.40ユーロ E
5.〃 電球型蛍光灯 2ユーロ A

ここで、消費者はどれを選ぶのだろうか。

私は5番だった。3番と言いたいところだが、6ユーロは私(学生)の感覚ではまだ高すぎる。4番の10倍以上もする。メーカーによって性能に違いがあるかもしれないが、同じ2ユーロを払うのであれば、2番よりも消費電力の少ない5番を選んだというわけである。

私のアパートに住む他の学生はどうだろうか。おそらく、経済的な理由から4番が多いだろう。学生は経済的に厳しいということだけではなく、彼らは1年前後しか滞在しないため、長寿命製品に対するインセンティブが低い。また、水光熱費は家賃に含まれているので、消費電力についてもインセンティブが働かない。自らの利益を優先する利己的egoistic思考のみが行動に反映されると、経済性に優れた4番(電球の機能性によっては異なる回答になる可能性もある)が選択される。

では、蛍光灯を選択する動機付けは何だろうか。利己的な価値指向に対して、気候変動に脆弱な生態系や人間に配慮する(べき)という、生物(地球)保全的biospheric、利他的altruisticの2つの価値指向があると考えられている。こうした価値指向は、環境問題に対する信念や意思と密接に結び付き、実際の行動(この場合は、商品の選択)に影響する。

蛍光灯がより選択されるようにするためには、当然ながら、白熱電球との経済的な乖離を小さくすることが必要である。これにより、利己的指向に比べて利他的・生物保全的指向が大きくなる消費者が増え、それが行動に反映されることが期待できる。しかし、この電球の選択に限らない、長期的な行動の(環境配慮型への)転換を進めるためには、指向そのものが変わることが効果的である。

ということで、この電球問題には大した結論を用意していないのだが、この1年間はこうした環境の価値観に関する心理学的なアプローチを研究したいと考えている。

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2009-10-13

あさっては「気候変動」についてのブログを書こう

10月15日はBlog Action Dayだそうです。

この運動は、2007年から始まって、今回が3回目。毎回1つのテーマを決めて、賛同するブロガーが10月15日にそのテーマに関する記事をそれぞれのブログに投稿するというもの。

最初のテーマは環境environment、昨年は貧困poverty、そして今年は気候変動climate changeとのこと。ブログを持っている人は、Blog Action Dayのホームページから登録することができる。

http://www.blogactionday.org/

現時点で登録、つまりあさってに気候変動についての記事を書く意思を示している人は131カ国の6,388人。私も登録したので、あさっては久しぶりに何か環境のことを書こうと思うpencil
試験前なのであまりたくさん書けませんが。。

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2009-06-08

YoutubeでHOMEを見よう。

6月5日は環境の日。この日に世界50カ国以上で公開されたムービーが、「HOME」である。インターン先のオフィスでも、昼休みに上映会があったので観に行った。

HOMEは、フランス人ジャーナリストで写真家のYann Aurthus-Bertrandが中心となって進められたプロジェクトで、世界中の自然など(CGもあり)の映像を中心とした90分強の映画である。

Youtubeともタイアップをしていて、通常は最大でも10分程度しかアップロードできないYoutubeに90分の映画が分割されずにまるごと1本で配信されている。オフィスでの上映もYoutubeをスクリーンに写したものだったが、残念ながらHDでも大きなスクリーンではあまり映像がきれいではない。

http://www.youtube.com/homeproject

(埋め込みが調子悪いみたいなので、上のリンクからどうぞ。)

アルテュス・ベルトラン氏が写真家ということもあり、映像はかなり力を入れているはずなので、じっくり観るにはDVDが良いのではないかと思う。協賛している大手CD・DVDショップのfnacに行ったところ、大きな専用コーナーが設けられていて、DVDは5ユーロだった(日本ではもっと高いらしい。。)。私の前にレジに並んでいた家族もDVDとブックレットを買っていた。

このプロジェクトに参加しているフランスのNGOの人によると、学校などにもDVDを配る予定とのこと。公式ウェブサイトでは、少なくとも14ヶ国語に翻訳予定とのことで、日本語もこの中に入っていることを期待したい。

Youtubeでの配信は6月14日までとのことなので、是非一度ご覧になってください。
http://www.youtube.com/homeproject

(英語ナレーション、英語字幕で見ることができる。)
※追記:どうやら、まだ見ることができるようです。(6月27日)

内容については、地球上の生物の起源から始まって、水循環・気候変動などの地球環境問題の危機感を全面的に出したメッセージ性の強いものになっているが、アル・ゴア氏の「不都合な真実」を見たり、環境問題をある程度認識している人にとってはあまり新鮮ではないかもしれない。

いずれにせよ、こうして映像を通じて多くの人に関心を持ってもらうことはおもしろい取組だと思う。内容についての賛否もあるだろうが、それも話題になれば良いのではないだろうか。

さて、テニスの全仏オープンが閉幕した。男子シングルスはフェデラー、女子は準々決勝を観戦したクズネツォワが優勝。そして、車椅子男子シングルスで国枝慎吾選手がやってくれましたtennis 全仏三連覇!!

こうした日本人選手の活躍、母国日本でも盛り上げていってもらいたいものです。

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2009-04-27

ヴェリブを使ってみた。

この前パリのレンタサイクルシステムである、ヴェリブVélib'の紹介記事を書いたが、先週1週間使ってみたのでその感想。

月曜日の朝に、家から一番近いステーションに行って、1週間分の登録料5ユーロを端末・ボルヌBorneでクレジットカード決済。この端末はフランス語、英語、スペイン語の3ヶ国語対応。タッチパネルではなく、下のテンキーで操作するのだが、入力した情報はカラーディスプレイではなく、テンキーのすぐ上の部分に表示されるので少し分かりにくい。

Velib3

公共交通機関のICカード・Navigoを持っていると、それに情報を書き込んでくれるので、以後はボルヌまで行かずに自転車をロックしている個別の端末にカードをかざすだけでよい。緑のランプの自転車は使えるが、赤いランプの場合は使用不可。

Velib4

自転車は頑丈にできていて、あまりスマートではないが、動き出すと自動的に前後のライトが点灯したり、3段階のギアがついていたりと、機能としてはまずまず。かごにワイヤの鍵が付いているので、買い物するときも大丈夫。ただし、30分以内に返さないと追加料金なので、パン屋でバケットを買うときに使っただけ。

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鍵穴の部分は、ステーションに自転車をロックすると隠れるようになっているので、いたずらされないようになっている。乗っているときはかごに巻きつけておけば引ったくり防止になる。

月曜日から金曜日までは、通勤の行き帰りに使用。家の前のステーションはいつも十分自転車があるが、問題は帰りである。月曜日の夕方にオフィスの一番近くのステーションに行くと、3台ほど残っていたが、いずれも赤ランプ。

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1台は後輪のタイヤが外れている。残りは空っぽでなんともさみしいthink

Velib7

ボルヌで近くのステーションの空き状況を見ると、最も近いステーションも0台なので、10分近く歩いて別のステーションで借りることになった。

5日のうち3日は別のステーションまで歩き、もう1日はメトロの駅近くから借りようと思ったが空いていなかったので断念してメトロで帰宅。結局、一番近くのステーションで借りられたのは1回だけ。

緑ランプであっても問題のある自転車をつかんでしまうことがある。多いのはギアがうまくかまない自転車。軽いギアでがんばってこがないといけない。パンクも多いが、これは乗る前に確認すればよい。そのほか、プラスチックのカバー、スタンド、かごなどが壊れているのはよくある話。一番ひどかったのは、土曜日に見かけたこの自転車。

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ひどすぎるshock これでは返却することもできない。これはあまりにひどいが、それにしても、故障車両が多過ぎる。普通に自転車に乗っていて、こんな簡単に壊れるとは思えないし、オランダ人が見ても驚くだろう。不特定多数の人が利用することを想定して、この自転車は頑丈にできているはずなのだが。Youtubeを見るとこういう使い方をしている人がいるので、そりゃ壊れるだろうと納得。

土曜日は市内に遊びに行ったので、4~5回乗り継ぐ。ステーションは意外と目立たないため、20分を過ぎたころから周りを気にしながら運転するはめになる。天気が悪かったこともあったのか、自転車不足にはなっていなかった。日曜日はジョギングコースに行くために、家から公園の往復に使用したが、この日は全く問題なかった。

この1週間を通じて感じたのは、とにかく必要なときに無いのが困るということ。管理会社が巡回してバランスよく配置しているとのことだが、夕方の自転車不足は毎日同じ状態なので、何とかしてほしいと思う。幸い、逆にあふれて止められないということはなかった。

そして、一番の問題は、パリの道路が自転車フレンドリーでないこと。オランダのように、自動車道と自転車専用道が隔てられているところはまだ少ない。

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ここはブーローニュの森の中。そのほか、サイクリングコースとなっているところは市内でも専用道が整備されている。そうでない場合は、車道の端が自転車レーン(バスと共用の場合もある)となっていることがある。しかし、ここは駐車天国なので、車道の端は有料駐車場Payantがびっしり埋まっており、自転車道をふさいで空きが出るのを待っている車もある。有料と言っても週末の夜は無料になるところもあるらしく、またお金を払わない違法駐車も多いらしい。

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さらに自転車道がないと悲惨である。自動車に混じって自転車を運転するのはかなり危険である。おそらく自動車のドライバーも邪魔だと思っているはずで、交通事故も多いのではないか。大通りのラウンドアバウトでは石畳になっているところが結構あり、自転車で通過するのは一苦労である。

ヴェリブが普及した次は、交通安全対策として自転車が安全に通行できるインフラ整備が課題である。

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2009-04-19

ヴェリブでパリの車は減るのか?

久しぶりにブログを書く。授業を受けていたときと違って、朝から夕方までオフィスにいて、帰ってから食事を済ませるともう1日が終わってしまう。朝は8時~8時半には出勤するようにしているので、あまり夜更かしもできない。

さて、試験が終わりパリに戻ってきたら、家の目の前にヴェリブVélib'のステーションができていた。

Velib1

ヴェリブとは、パリのレンタサイクルシステムのこと。フランス語の情報を理解するのはさすがに無理なので、まずは日本語のWikipediaなどから情報を取ってみる。

運用開始は2007年7月ということで、まもなく2年になる。背景としては、自動車に起因するパリの大気汚染問題を解決するために、パリ市長がパリ市内の自動車交通量を2020年に40%削減するという目標を掲げており、その施策の1つとして自動車から自転車への交通手段のシフトを促進しようとしているようである。

40%がいつと比べてという情報を書こうとしたが、どこにも見当たらない。市長就任時からだとすれば2001年比ということになるが、明確にそう書いている日本語のウェブページが無かったため、フランス語のページを当たってみる。

結局、パリ市のprojet de Plan de Déplacements de Paris(パリの置換計画(PDP)プロジェクト)の2007年2月の議会説明資料にたどりついた。URLはこちら(30MB)だが、これによると、2020年に2001年比で平日7時~21時の自動車の交通量(台/km/時)を40%削減するとなっている。これが最終的に議会で承認されたのかは分からないが。

このヴェリブ、仕組みがなかなかおもしろい。最大の特徴は、システムのコストは税金ではなく民間企業が負担していること。JC Decaux(JCドゥコー)という広告代理店が、パリ市内の路上広告設備を管理する権利と引き換えに、システムの運用を行う。さらに、広告設備の使用料は、公共施設を所有する自治体の収入になる。

JCDecauxはアムステルダムでもおなじみで、バス停(屋根付きのシェルター)に広告スペースを設けて、その維持管理サービスを行っている。もちろん、街中の広告塔の設置・維持管理もやっているようである。

自治体の収入という点では、日本ではバスのラッピング広告がかなり普及してきた。いずれも自治体・市民にとっては景観上の問題とのトレードオフであるが、このヴェリブはレンタサイクルシステムが無償で提供されるので、市民の理解を得るのはより容易だと思われる。

続いて、ヴェリブ設置の現状について。JC Decauxの日本法人MC Decauxによると、昨年8月の時点で、

20,600台のセルフサービス自転車
1,451のステーションをパリ市全域の300メートルごとに設置
27,500,000 人の利用者(サービス開始1年の実績)
(出典) http://www.mcdecaux.co.jp/mcd/pdf/velib%201year%20celebration.pdf

とのこと。私の住んでいるのはパリ市の隣、ブーローニュ=ビヤンクールだが、ここにも既に21のステーションが設置されているので、上の数字はもっと大きくなっているのではないかと思われる。

利用方法もおもしろい。24時間365日利用可能で、どこのステーションに返してもよい。登録料は、年間29ユーロ、1週間5ユーロ、1日1ユーロ。年間パスは申込みが必要だが、1週間・1日の場合はステーションの端末でクレジットカードを使って支払うことができるので、観光客でも気軽に使える。

Velib2
ステーションごとに設置されている端末・ボルヌBorne

年間29ユーロであれば、そもそも自転車を買う必要がないということになってしまうが、この登録料で使えるのは、最初の30分だけ。ただし、1日30分ではなく、「1回30分」である。つまり、30分以内に次のステーションで乗り継げば、もう30分追加料金なしで乗ることができる。

31分から60分までは利用料1ユーロ、61分から90分までは更に2ユーロ(合計3ユーロ)、以後30分ごとに4ユーロとなっている。2時間乗ると7ユーロ、24時間後に返すと183ユーロという計算になるが、おそらく上限は保証金とされている150ユーロだと思われる。メトロ・トラム・バスのチケットが1.60ユーロであることを考えると、利用料は決して安くなく、普通は30分以内に返却されているのだろう。

こうした利用料金システムにより、短時間で返却されることから、自転車の回転率が高まり、多くの人が効率的に利用できることになる。

乗ったことのある人の話をほとんど聞いたことがないのだが、たまに故障・パンク車両があると聞く。管理会社は定期的に巡回して、車両の修理も行っているそうである。

想定される問題点の1つとして、車両の偏りがある。つまり、乗る人が少なく、降りる人が多いステーションは満車になってしまい、返却ができなくなってしまう。その反対の場合は、ステーションが空っぽで自転車がレンタルできない。こうした課題についても、定期巡回で自転車の多いステーションから少ないステーションに自転車を運搬して対処しているとのこと。

世界的な大都市パリでも、こうして2年近く運用されているということは、今後世界的に拡大する可能性がある。しかし、ヴェリブ導入の目的である、自動車交通量の大幅削減(自動車から自転車へのシフト)につながっているのかという点についての検証がなされなければ、このシステムが「成功」したと結論付けることはできないはずである。単にメトロの利用者が自転車を使っているだけでは、通勤電車の混雑緩和にしかならないのだから。

そのうち乗ってみて、乗り心地をレポートしますbicycle

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2009-02-16

アムステルダムの焼却施設見学

前回のエントリーで書いたとおり、先週、大学院のエクスカーションでアムステルダム市の焼却施設の見学に参加した。

この見学会は当初、大学にみんなで集合してバスを貸し切って行くつもりだったのだが、オランダ人のクラスメイトが「環境の勉強をしているのにバスでCO2や汚染物質を撒き散らすなんてけしからん。自転車で行くべきだ!」とメーリングリストに投稿したところ、みんな賛同したのでバスは中止、自転車bicycle か公共交通機関bus で現地集合ということになった。大学からの距離は11km程度、確かに"bike-able"ではあるが、さすがオランダ。

当初は自転車で行くつもりだったが、天気の悪さと自転車の整備不良(チェーンが外れる)のため、トラム→メトロ→バスを乗り継いで焼却施設Afval Energie Bedrijf(廃棄物・エネルギー工場)へ。住宅地から少し離れた工場地帯で、周りには風力タービンも数台並んでいる。

Amsterdam_afval1
Afval Energie Bedrijf http://www.afvalenergiebedrijf.nl/ (蘭・英)

Amsterdam_turbines

見学の受入れを積極的に行っている模様で、プレゼンテーションの部屋以外にも、見学通路のいたるところに豆知識(この施設でアムステルダム市の全家庭の40%をまかなう電気を発電している、など)が書かれている。ちなみに、この施設の発電効率はなんと30%thunder 焼却施設が世界で一番多い日本でも高効率と言えば20~25%程度なので、この数字は驚きである。

Amsterdam_afval2

全体を見学した印象としては、日本の焼却施設とあまり雰囲気は変わらない。ごみピットもほぼ同じ。見た目では、日本では紙ごみでごみピットが白くなっているのが、こちらはそれほどでもない。ごみ袋の色の問題なのかもしれないが。

この日は寒かったからなのか(それとも白煙防止の再加熱をしていないのか)、煙突から白煙がもくもくと出ていた。

Amsterdam_afval3

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2009-01-09

ドイツに行ってきました。(フライブルク・コンスタンツ)

バーゼルから北に向かって、ドイツのフライブルクへ。スイスにもFribourgという町があって、ドイツ語表記は同じくFreiburg。そのため、前者はFreiburg im Breisgau、後者はFreiburg im Üechtlandと言うらしい。ここは、日本で「環境首都」と言われることもあるので、どれだけ環境に優しい町なのか楽しみだったが、実は市中心部には目に見えるものはそれほど多くない。もちろん、トラムやバスなどの公共交通機関は発達しているが、それはここに限ったことではない。

Freiburg_tramそう言えば、スイス・ドイツでは、ホテルに宿泊すると滞在期間中に有効な公共交通機関のフリーパスをくれるところが多い。これは観光客にはありがたい。今回は、フライブルクの他に、バーゼルとジュネーブでもらえた。こちらもオランダ同様、トラムやバスは自分でチケットを買って、車内で押印するのだが、ほとんどやっている人はいなかった(地元の人はパスがあるのかもしれない)し、コントロール(検札)も一度もなかった。

ごみの分別は、おそらくドイツならどこでもこのくらいはやっているだろうと思うが、紙ごみ、有機ごみ、その他のごみの3色のコンテナに分けて出す。ガラス瓶は、街中にある無色・緑色・茶色の3色の回収コンテナに分別する。

では、なぜそれほど有名なのか。大阪・神戸ドイツ連邦共和国総領事館の冊子「環境先進国 ドイツ」によると、1992年にドイツの環境NGOが主催した環境首都コンテストで優勝したのが始まりとのこと。もちろん、それが日本まで浸透した理由には、日本のNGOやジャーナリストの影響もあるだろうが、フライブルク市が「環境」を観光産業にしたことが大きいと思う。視察や問い合わせが多かったので、それに対応していたら観光産業になってしまったのかもしれないが、戦略的に環境対策をアピールしていくことは、地域の環境と経済(産業振興)にとってwin-winである。

Freiburg_solar1フライブルク市が他の都市よりも優れているのは、ソーラー(太陽光)産業である。駅に隣接して、太陽光パネルが敷き詰められた高層ビルがそびえ立っている。これだけでもインパクトは大きい。

ツーリスト・インフォメーションに行くと、SolarRegion Freiburgというパンフレットがあり、独仏英伊日韓の6カ国語が揃っているし、更にSolar Energy Guideという英語の冊子も用意されている(無料)。これを基に、トラムで行けるヴォーバンVaubanという町に行くことにした。

ここには、国際ソーラーエネルギー学会ISESの本部や、エコ研究所Öko-Institutもあり、洗練された新興住宅地という印象。

この建物は、駐車場。ご覧のとおり、太陽に向かって屋根にパネルがびっしり並んでいる。そしてその名も「Solar Garage」sun

Freiburg_solar2

通りを挟んだÖko-Institutの裏手には、シュリアベルクSchlierberg Solar Estateという、すべての屋根がパネルになっている60世帯のソーラー団地がある。Solar Energy Guideによると、最大出力7.5kW、年間発電量7,000kWhとのこと。

Freiburg_solar3

ヴォーバンでは、かなりの割合の屋根が太陽光パネルを設置している。これは視覚的にもインパクトが大きいので、自治体やNGOが視察に来るのもよく分かる。私も見物客の1人になったわけだが。

フライブルクの中心部の大聖堂は、写真に収まらないくらい大きい。レンガ作りで、スイスの大聖堂とはだいぶ印象が違う。

Freiburg_muenster1 Freiburg_muenster2

この塔にも当然登る。ここはこれまでの教会と異なり、塔の入口が教会内部ではなく、外から入る仕組み。 そのため、お金を払わないで登ることができるが、登ったところに絵葉書などを売る売店があり、そこで入場料を払う。

Freiburg_view

駅方向を望むと、奥には高層ビルも見えて、栄えている町という印象。

翌日は、フライブルクから北に電車で1時間ほど行ったオフェンブルクOffenburgから、シュヴァルツヴァルトSchwarzwald(黒い森)を横切って、ボーデン湖BodenseeのほとりのコンスタンズKonstanzに移動。シュヴァルツヴァルトは、酸性雨の影響を受けて木が枯れるという環境問題が注目された地帯で、フライブルクもそうだが、ドイツ全体の環境政策にも影響を与えたと思われる。そういう象徴的な存在なのだが、電車から見ただけでは普通の森林なので、感動的な風景に出会えたかというと、そうでもなかった。

Schwarzwald1 Schwarzwald2

ドイツの鉄道は、DB (Deutsche Bahn)という国有鉄道で、車両は結構きれいなことが多い。特に今回はEurail Passだったので1等車は、日本のグリーン車を更に快適にした感じだが、2等車も十分快適だと思う。

Ice

それから、主要な鉄道駅にある荷物用のベルトコンベヤー。ホームと地下通路、そして駅構内をつなぐところにある。重いスーツケースなどには便利だが、一方通行。エレベータがあれば足りると思うが、なかったような気がする。 

Conveyer

コンスタンツには夕方に着いたので、散策をしながら夕食を食べるところを探していると、ボーデン湖の湖畔から花火の音が。近寄ると、お祭り騒ぎになっていて、極寒の湖に100人以上の人が叫びながら入っていく。

Konstanz1

寒中水泳かbearing 気温は0度くらいなのだが、見ているこっちが更に寒くなる。翌日、ツーリスト・インフォメーションで聞くと、ダイバーの集まりが安全祈願で行っているイベントなのだそうだ。

Konstanz2

ボーデン湖の湾の入口には、インペリアImperiaという10mの像が建っている。1414年~1418年にここで開催されたローマ・カトリック教会のコンスタンツ公会議(3人の教皇が並立していた教会の分裂を収拾した会議)を記念して作られたもの。よく見ると少しずつ回っていてちょっと恐いが、3分で1回転する。

Konstanz3   Konstanz4

もちろん、この町にも立派な大聖堂があるのだが、天候があまりよくなかったし、時間もなかったので、登らずに中心部を散策して終わり。クラスメイトのドイツ人に話をしたら、彼はこの町にあるコンスタンツ大学の卒業生だそうだ。

Konstanz5 Konstanz6

今回の旅行では、ドイツは駆け足で南部をちょっとだけ回っただけだったが、オランダの隣国でもあるので、また何度か訪問する機会があるのではないかと期待している。

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2008-12-20

Cleaning up the GPGP!

金曜日、ようやく1ヶ月にわたるグループプロジェクトが終了(開始当初のエントリーはこちら)。今週は月曜日から木曜日まで、毎日昼から大学のパソコンルームにメンバーが集まって、レポートの執筆とExcelでCBA(費用便益分析)をやっていた。木曜日にほぼ完成したところで、メンバーの家に行って軽くパーティ。

最終的なレポートに仕上げるためにはしっかり見る必要があるので、24時くらいに帰宅してから朝までチェック作業+追加分析。7時前にもう1人のメンバーにバトンタッチしてほぼ終了。

結果を簡単に紹介。まずは、GPGP (the Great Pacific Garbage Patch) の同定から。今回はアメリカの西海岸にテキサス州の2倍の大きさのごみを設定。同じようなごみの塊が日本の東側にもあると言われている。

Gpgp_map

それを、2010年から5年間かけて片付けた場合(Cleanup alternative)、家庭へのキャンペーンや海岸の清掃によりGPGPが大きくなるのを抑制した場合(Prevention alternative)、両方の対策を取った場合(Combination alternative)の3つに加え、何もしなかった場合(Doing-nothing alternative)の4のシナリオを設定して、2050年までの対策費用と、対策をとることにより避けられる費用(=便益)を比較した。

Gpgp_size

何もしないと当然ながらGPGPは肥大化するのだが、この排出シナリオは少し楽観的で、排出量の伸びをアメリカのGDP成長率と同じとすると、より急なカーブになる。(ここでは、将来的に脱物質化dematerialisation、つまり経済と消費の乖離decouplingが進むことを見込んでいる。)

ごみによる影響は、以下のものを設定。
・海洋・沿岸生態系への影響(物質循環機能の低下など)
・漁獲量の低下
・船舶事故(ごみへの衝突)の増加(修理費用・人的被害)
・レクリエーション・観光産業への影響
・汚染された魚を食べることによる人健康への影響

とにかく基本データが不足しているので、不確実性の高い分析になる。一番不確実なのは、ごみ(主にプラスチック)が浮いていることにより、その下に存在する生態系の機能がどの程度減少するのかということ。結果は、人健康や経済への影響はそれほど大きくなく、生態系に1%以上の影響が出るのであれば、いずれかの対策をとるべきという結論。既存の知見によると、それだけ生態系の機能は大きいということである。

ちなみに、どの手段が一番良いのかについては、条件にもよるが、すべてのごみを回収するのは膨大なコストが見込まれるため、家庭からのごみの排出抑制とそれでもなお出る海岸のごみは片付けるのが望ましいという結果であった。環境汚染が広がる前に対策を講ずる方が効率的である、という一般論を支持する形になった。

そうであれば、なぜ誰も片付けないのか、というのが次のresearch questionになるのだが、今回はそこまではあまり考察できずに終了した。それでも、当初予定の4,000‐5,000wordsの大きく超えて12,000wordsの大作になったが、全体の2/3近くが条件設定の記述である。

こういうグループワーク自体日本では全くやったことがないし、みんな違う国から来た人が、文系・理系混合グループで、英語で作業をするというとても貴重な経験だった。ディスカッションを通じて一番印象的だったのは、もっともらしい結論を導くことを目指す人と、説明できる条件を設定しようとする人に二分化されたということ。私はもちろん後者なのだが、今回は短期決戦ということもあり、結果的には両方を取り入れた形になっている。

これでようやく今年のプログラムは終了し、待ちに待った冬休みに入りますsnow

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2008-12-14

COP14@ポズナン(その2)

COP14が終了したのは土曜日の朝3時ごろ。オランダとポーランドは時差がないので、最後の全体会合を3時までウェブキャスト(ライブ配信)で見ていた。結果については、

先進国がG8で合意した2050年半減という目標を全世界で共有することを求めたが、途上国はそれより前に先進国が具体的な中期目標を設定せよ、と主張して物別れになり、結局前回のバリから進展がなかった。でも、アメリカがこれから政権が変わるのだから、今回は大きな進展が無くて仕方ない(でもそれに途上国やNGOは満足していない)。

というのが、ほとんどの報道のトーン。個別の検討事項では具体的な進展もあったのだが、全体的に見ればそんなところなのだろう。

個人的には、先進国と途上国の対立構造がメインにあって、それぞれの中も複雑な構造になっているという仕組みが多くの議題で見られたのが関心深かった。途上国は、将来的に自国にも削減義務が課されることを懸念している国、自国が気候変動による深刻な影響を受けている国、先進国からの支援がほしい国、これを機にCDMで自国の環境改善(特にコベネフィット)・経済発展を進めたい国などあるが、簡単に分類できるわけではない。

また、今回は金融危機の影響を懸念する声があったり、一方で気候変動に適応するための基金の創設が途上国から強く求められたり、と環境問題というより経済問題の会議じゃないかとさえ感じることもある。まあ、環境問題の枠が広がっていると理解すればよいのかもしれないが。

各国が国益(自国の経済発展・対外競争力の維持など)を守ることに固執すると、誰も環境のことを真剣に考えていないじゃないかという批判がNGOから出るわけだが、かと言って「日本はCO2削減のために、鉄を作るのを止めます」というわけにはいかないのであり、改めてこの問題が抱えるジレンマを認識する機会になった。いずれにせよ、次回COP(来年12月@コペンハーゲン)がポスト京都の枠組みづくりの期限になっているので、これに向けて交渉を進めていかなければならない。

ということで、やはり気候変動は興味深い研究テーマの1つである(が、まだ修論のテーマは絞れていないthink)。

すぐには考えがまとまらないので、素人的な感想になってしまいました。

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2008-12-11

COP14@ポズナン(ポーランド)

前回のエントリーから10日も経ってしまったが、この間ポーランドのポズナンで開催されている国連気候変動会議(COP14ほか)に参加していた。日本の新聞などでは「ポズナニ」と書かれているが、現地でもみんなポズナンと言っている。

COPは国連気候変動枠組条約の締約国会議で、京都議定書の締約国会議(CMP又はCOP/MOP)も同時に開催されている。

会議は、1日から12日まで続くが、3日にグループ・プロジェクトのワークショップを終えて、寝台列車に14時間近く揺られてポズナン入り。そして、明日はグループ・プロジェクトのプレゼンテーションがあるため、再び寝台列車でオランダに帰国。途中通過するドイツも含め、各国シェンゲン協定を調印しているので、行きはパスポートチェックはなかったが、なぜか帰りはアムステルダムに着く直前にパスポートチェックがあった。

行きはポーランド(PKP)の車両で3人1部屋の寝台席にしたところ、まずまず清潔でとても快適。途中のケルンでNGOに所属するドイツ人2人組が乗り込んで来て、一緒にポズナンへ。

Poznan_arrival

EUに加盟したとは言え、この駅名の看板がいかにも東欧らしい。

Poznan_glowny

鉄道駅から歩道橋を登るとすぐ目の前が会場。

Poznan_apperance

11日・12日はクライマックスの閣僚級会合が開催されており、日本からは環境大臣が出席。10日までは、COP及びCMPの下にある作業部会と補助機関の会議が開催されていて、その結論を受けてCOP及びCMPで議論されることになる。

作業部会の全体会合plenaryが開催されている会場。

Poznan_plenary

公式会議と並行して、各国政府・国際機関・研究機関・NGOなどがサイドイベントを開催している。個別のブースもあり、会場はお祭りのような雰囲気になっている。

Fossil_of_the_dayその日の交渉の進捗を妨げた国に与えられる、化石賞Fossil of the day awardを選定しているNGO(CAN:気候行動ネットワーク)のブースは、毎日6時の発表の時には人だかりになる。

残念ながらCOP14では既に日本は何度か受賞していて、現在カナダに次いで第2位。

化石賞のウェブサイト→ http://www.fossil-of-the-day.org/

Poznan_fossil_of_the_day

遅ればせながら、第一報でした。

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