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2008-12-20

Cleaning up the GPGP!

金曜日、ようやく1ヶ月にわたるグループプロジェクトが終了(開始当初のエントリーはこちら)。今週は月曜日から木曜日まで、毎日昼から大学のパソコンルームにメンバーが集まって、レポートの執筆とExcelでCBA(費用便益分析)をやっていた。木曜日にほぼ完成したところで、メンバーの家に行って軽くパーティ。

最終的なレポートに仕上げるためにはしっかり見る必要があるので、24時くらいに帰宅してから朝までチェック作業+追加分析。7時前にもう1人のメンバーにバトンタッチしてほぼ終了。

結果を簡単に紹介。まずは、GPGP (the Great Pacific Garbage Patch) の同定から。今回はアメリカの西海岸にテキサス州の2倍の大きさのごみを設定。同じようなごみの塊が日本の東側にもあると言われている。

Gpgp_map

それを、2010年から5年間かけて片付けた場合(Cleanup alternative)、家庭へのキャンペーンや海岸の清掃によりGPGPが大きくなるのを抑制した場合(Prevention alternative)、両方の対策を取った場合(Combination alternative)の3つに加え、何もしなかった場合(Doing-nothing alternative)の4のシナリオを設定して、2050年までの対策費用と、対策をとることにより避けられる費用(=便益)を比較した。

Gpgp_size

何もしないと当然ながらGPGPは肥大化するのだが、この排出シナリオは少し楽観的で、排出量の伸びをアメリカのGDP成長率と同じとすると、より急なカーブになる。(ここでは、将来的に脱物質化dematerialisation、つまり経済と消費の乖離decouplingが進むことを見込んでいる。)

ごみによる影響は、以下のものを設定。
・海洋・沿岸生態系への影響(物質循環機能の低下など)
・漁獲量の低下
・船舶事故(ごみへの衝突)の増加(修理費用・人的被害)
・レクリエーション・観光産業への影響
・汚染された魚を食べることによる人健康への影響

とにかく基本データが不足しているので、不確実性の高い分析になる。一番不確実なのは、ごみ(主にプラスチック)が浮いていることにより、その下に存在する生態系の機能がどの程度減少するのかということ。結果は、人健康や経済への影響はそれほど大きくなく、生態系に1%以上の影響が出るのであれば、いずれかの対策をとるべきという結論。既存の知見によると、それだけ生態系の機能は大きいということである。

ちなみに、どの手段が一番良いのかについては、条件にもよるが、すべてのごみを回収するのは膨大なコストが見込まれるため、家庭からのごみの排出抑制とそれでもなお出る海岸のごみは片付けるのが望ましいという結果であった。環境汚染が広がる前に対策を講ずる方が効率的である、という一般論を支持する形になった。

そうであれば、なぜ誰も片付けないのか、というのが次のresearch questionになるのだが、今回はそこまではあまり考察できずに終了した。それでも、当初予定の4,000‐5,000wordsの大きく超えて12,000wordsの大作になったが、全体の2/3近くが条件設定の記述である。

こういうグループワーク自体日本では全くやったことがないし、みんな違う国から来た人が、文系・理系混合グループで、英語で作業をするというとても貴重な経験だった。ディスカッションを通じて一番印象的だったのは、もっともらしい結論を導くことを目指す人と、説明できる条件を設定しようとする人に二分化されたということ。私はもちろん後者なのだが、今回は短期決戦ということもあり、結果的には両方を取り入れた形になっている。

これでようやく今年のプログラムは終了し、待ちに待った冬休みに入りますsnow

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